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風営法コラム
2014.12.02

014.コラム 風営法万歳! ~ 年少客の立ち入らせ規制は説明困難

風営法の研修で取り上げるテーマの中で、年少客の立ち入らせ規制は重要な部分です。
違反した場合の処分は重いですし、うっかり発生してしまうおそれも比較的に高い違反です。

ところがこのテーマは意外と誤解を招きやすい分野でもあります。
それは、風営法の規制と、ホールにおける実際の運用にズレがあるからです。

風営法では、「十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること」を禁止しています。
言い換えると、18歳以上の者を営業所に立ち入らせても違法ではないし、たとえ18歳未満であっても
「客として」でなければ立ち入らせても違法ではありません。

しかし実際には多くのホールで「高校生は一切入店させない。」
「制服を着ている人を入店させない。」といったルールにしています。

入店についての条件は店舗管理者が決めることであり、法律と常識に反しない限りどのような条件でも構わないのですから、
風営法が定めた「18歳未満の客」という条件をそのまま店のルールにすりかえる必要はありません。
20歳未満を入店禁止にしても良いわけです。

しかし、私が風営法の規制を説明すると「ウチの店は違います。」とか
「警察から高校生を入れるなと言われました。」という反論が出てきます。
そこで私はこう言います。

それはあなた達(店舗)が法律に違反しない範囲でそういうルールを決めたからです。
警察がそのように言うのも、店が間違って18歳未満の客を入店させないためには
高校生を入れないほうが間違いが少ないからアドバイスしてくれているのであって、
法的にそのようにする義務はないのです。

このように説明しても、果たしてわかったのだかわからないのだか、私は不安になります。
そもそも、自店のハウスルールを理解しているのか。理解していれば、法規制とハウスルールは別のものだとわかりそうなものです。

「ホールは法律が決めたとおりに行動している。だからホールの判断は法律どおりのはずだ。」

こういうふうになんとなく考えている業界人がかなり多くいると私は感じています。
法律は必要が無い部分で「ダメ」とか「やれ」とか言いません。(少なくとも原則としては)

日本国は自由主義の国ですから、法律や常識に反しない範囲では何をやろうと自由です。
そのような基礎的な原理が理解されていないなら、風営法の説明もわかりにくいはずです。

他人から言われたことだけやればよい、という感性の人が現代でもいかに多いことか。
それは人生経験を経るにつれて徐々に変わってゆくでしょうが、平均年齢が若いホール社員に向かって
<年少客の立ち入らせ規制>を誤解なく説明することは意外と難しいのです。

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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