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風営法コラム
2015.07.07

021.コラム 風営法万歳! ~ 客室に子供がいてもいいですよという解釈

風営法改正にともない、風営法の解釈運用基準も一部改正されました。
一つ興味をもったのは、「旅館等で料理店営業等の風俗営業を営む場合・・・」についての解釈の修正です。

旅館の一室にお客さんを入れて、そこでコンパニオンや芸者さんが飲食提供とともに「接待」を
行うことがありますが、これは風俗営業の第二号(設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業)
に該当してしまいます。
つまり風俗営業の許可が必要なのですが、その場合は旅館全体ではなく、接待等のサービスを行うであろう部屋を、
客室及び営業所とみなして許可を取得します。
このような場合に、風営法の「年少者(18歳未満)立入らせ規制」をどのように当てはめるかという問題があります。

というのは、風俗営業の許可の対象となる部屋は「旅館の一室」であり、接待等が行われていないときには、
家族連れにも利用されるでしょうし、18歳未満のお子さんも利用するでしょう。
ではそのような場合は風営法(第22条第5号)に違反することになるのか。

そうではない、つまり、風俗営業許可の対象となっている部屋に年少者を立ち入らせたとしても、
その時にその部屋で接待等のサービスが行われていないのであれば、それは風営法に違反しないということが、
解釈運用基準に明記されたのです。

なるほどごもっともなことですが、解釈運用基準はあくまで「法令の解釈」であって、法令そのものではありません。
つまり、今回の解釈運用基準の追加によって法令が緩和されたわけではなく、解釈として文章が一つ増えただけのことで、
「もともとこのような解釈で運用されていたと思うけど、念のため今回付け加えた。」という意味になります。

しかし、旅館での接待営業が最近になって流行っているわけでもないし、こんな解釈はもともと
「法の趣旨を考えれば当たり前」のことで、今頃になって基準として追加するほどのことなのか。
いやもしや、最近は法令を堅苦しく解釈する人が多くなっていて、こんな基準を作っておかないと問題だ、
ということにでもなったのでしょうか。

そう言えばホール営業の分野でも、「駐車場にも年少者を立ち入らせてはならない」といった指導がされている
ケースがあって、それを真に受けているホールもあります。

禁止行為「十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること」

なるほど、風営法第22条第5号を見ると、そのように思えなくもありません。
駐車場も営業所の一部ですからね。

しかし、法令の趣旨と営業の実態を考え合わせれば、そうではないということになるでしょう。
いや違う、ということなら、この際はっきりしていただきたいですな。

ホール営業についても、もっと解釈基準を増やしていただいてはいかがでしょう。
趣旨をふまえた法の運用がなされているのなら、余計なたわごとではありますが。

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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