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風営法コラム
2018.08.07

054.コラム 風営法万歳! ~ 改正要望 特例風俗営業者の認定要件緩和

受動喫煙対策としての健康増進法が可決成立しました。
パチンコ店でも分煙のための構造設備の変更を検討する店舗が増えるかもしれません。

その場合には構造設備の変更について公安委員会の承認が必要となる可能性があります。
これは変更の内容によっていろいろなのですが、もし承認が必要となると、それはかなり面倒な手続となります。

工事が完了してから行政庁による検査を受け、問題なければ10日で承認を受け、そこから遊技機の入替をします。
工事完了から承認を受けるまでは営業を再開できませんが、実質的に2週間分程度の売り上げ損失が生じます。

ですので、構造変更の場合のスケジュール調整はとても難しい課題となりますが、
一つ、この面倒を回避できる場合があります。
それが特例風俗営業者の認定を受けている場合です。

ところが、認定を受けるためには認定を受ける法人が全店舗において過去10年以内に違反処分を受けていない
ことが条件の一つになっています。

全店舗での違反処分がゼロというのは、大手チェーンにとってかなり厳しい条件です。
逆に、店舗数が少ない法人では認定を受けているケースがあります。

さて。受動喫煙対策で構造設備の変更承認手続きが増加するとしたら、検査に応じる行政側の手間も
相当なものになります。
ならば、なるべく特例風俗営業者になりましょうよ、と言いたいのですが、
現行法では認定を受けられるホール企業はごくわずかです。

ですので、認定を受けるための要件を緩和していただきたい。
ところが、この要件が風営法の中に明記されています。

政令や規則は管轄官庁の判断で改正できますが、法律は国会でのみ改正できます。
つまり、法律の改正は容易ではないのです。

ならばとりあえず、特例風俗営業者の認定要件は政令以下の部分に委任してしまえばよいと思うのです。
認定要件を業種ごとに変えてもよいでしょうし、まずは柔軟に緩和できるようにすることが
先ではないかと思います。

風営法はいまだに零細事業者の経営規模を想定した制度のままです。
特例風俗営業者制度を時代の実情にあったものにしていただきたいです。

そのうえで、法人として過去10年の無違反という要件を無くすか、法人としての違反の種類を
営業停止以上の処分に限定する条件にしてしまえば、かなり運用しやすい制度になるかと思います。

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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