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風営法コラム
2021.08.17

084.コラム ~ 約束より1時間前ルールが常識

都内では風営法の手続きにおける構造設備検査、いわゆる「実査」の時間について暗黙の
ルールがあります。
それは、実査を受ける事業者は公式に約束した開始時間より1時間前に実査を受けられるよう
準備しておくこと。
私が風営実務に関わりはじめた頃(20年以上前ですが)にはすでに当然のごとくそんなルールでした。

都内の実査では風俗環境浄化協会の職員さんが2名。さらに所轄署から警察官が1名又は2名来ます。
実査の公式開始時間が10時だとしたら、9時には開始できるようにしておかなければならない。
かつては本当に1時間前に浄化協会さんが来てましたが、最近は公式予定時間の10分前とかが多く
なっていました。
そうなると、1時間前に準備をしても、1時間近く待たされてしまうことが多いのですが、それは
私とお客さんが雑談をする時間として価値がありまして、なんとなくそんなもんだと思っていました。

一方では、ある新人行政書士さんがその「1時間前ルール」を知らないで、公式タイムの30分くらいに
お店に行ったら、待ち受けていた職員さんから「非常識」だと言われ、ずいぶん説教されたとか。

やっぱり「1時間前ルール」は生きているんだなと。

都内の行政書士さんの常識に照らせば、その新人さんはまだ世間知らずだったかも知れませんが、
世間一般の常識からすると、逆にこちらが非常識となりますね。

浄化協会さんの立場を推察すれば、電車移動ですから、人身事故とかで到着が遅れるリスクがある一方で、
事業者に対して「遅れてごめんなさい」とは言いたくない。

だから、公式開始時間を1時間遅らせておく。おおよそそんな思惑から生じた慣習だと思いますが、
それはそれで仕方がないと思うのです。

あちらのお立場を尊重して上手にお付き合いする。これが業界の常識なんですから、業界の方々には
そういうことも理解しておいてほしいです。

 

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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