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けんぱちコラム
2012.08.06

006「クルクミンは炎症、がん、アルツハイマー病、糖尿病等を抑える作用が」

クルクミンはカレーのスパイスであるウコン(ターメリック)の黄色色素ですが、炎症を抑える作用や抗がん作用、アルツハイマー病でβアミロイド斑(脳の老人葉斑)を減少させる作用など様々な効用が報告されています。
今回は糖尿病の発病を抑える作用が報告されました。
タイ国Srinakharinwirot大学の糖尿病予備軍240人を対象とした研究によると、クルクミンを与えたグループは、クルクミンに似せたプラセボ(偽薬)を与えたグループに比べて糖尿病の発現が有意に低下しました。治療9ヶ月間の糖尿病発現率はプラセボ群では16.4%、クルクミン使用群で糖尿病を発現した患者はゼロでした。
中高年ユーザーにカレーやウコン系飲料はおすすめです。

糖尿病つながりであとふたつ。
いずれも今年の米国糖尿病学会での報告です。
まずは「朝食を食べましょう」。
ミネソタ大の研究によれば、18-30歳5115人の追跡調査の結果、1週間の朝食回数が増えるにともなって腹部肥満などのリスクが低下し、毎日朝食を食べる人は週0-3回しか食べない人に比べ、糖尿病発症のリスクが34%低かったそうです。
スウェーデン・イェーテボリ大学の研究によれば、糖尿病の診断をうけた後、早期にHbA1cが1%低下すれば20年後の死亡リスクが約25%減少するのだとか。HbA1cは健康診断を受けていればおなじみの糖尿病の指標です。ブドウ糖と結びついたヘモグロビン(血色素)で、現時点より過去1~1.5ヶ月間の平均血糖値を反映しています。正常値は4.4~5.8%です。HbA1cを常に6.5以下にきちんとコントロールできていると、網膜症・動脈硬化・腎症・末梢神経障害といった糖尿病による合併症をかなり防ぐことができることが知られていますが、今回の研究で診断後速やかに下げることが大切なことが示されたわけです。
糖尿病と太ももの筋力が関係することが知られていますから、しっかり運動して予防しましょう。

諏訪東京理科大学 教授 篠原菊紀氏

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