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けんぱちコラム
2013.06.04

021「コーヒーは何かとよさそうですが、一日4杯以内がよろしいようです」

最近、コーヒーがらみで二つの研究が報告されました。ひとつは一日4杯コーヒーを飲むと大腸がんのリスクが減るというもの。
実はコーヒーがいいらしいという研究報告は多く、たとえば口腔・咽頭・食道がんのリスクが減る、男性は致死性前立腺癌リスクが低くなる、 脳卒中や心血管疾患を生じにくい、高血圧高齢者の動脈硬化を抑制しうる、糖尿病リスクが低下する、結腸切除術後のコーヒー摂取で腸機能が早く回復、 全死亡リスクが下がる、女性はうつ病になりにくい、さらには、これはカフェインの効果ですが、肯定的単語の脳処理力が改善する(前向きになれる)とか、 女性に限ってカフェインはストレス下での共同課題遂行能力を高めるといった報告や、きつめの運動による筋肉痛を緩和するといった報告もあります。

まさにコーヒー万歳ですが、否定的な報告もあります。
それが最近の報告のふたつめで、マウスの実験ですが、コーヒーは脂肪の多い食事を摂っていると肝臓の脂肪蓄積を促進したり、 インスリン抵抗性を高め糖尿病のリスクが高まるというものです。
この実験ではコーヒー5~6杯分に相当するコーヒーの主成分クロロゲン酸での研究ですから、一日4杯以内がよろしいかもしらんですな。
ネガティブな話は少ないですが、妊娠中のカフェイン摂取は赤ちゃんの出生時体重低下をもたらす、甘い飲み物はうつ病発現リスクを高めうる、 コーヒーの飲みすぎは緑内障のリスクを高めるなどありますから、ほどほどがよろしいですな。

諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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