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けんぱちコラム
2013.12.16

031.孤独は病気を増やし、抵抗力を落とす

以前から、孤独な人は病気になりやすいことが指摘されています。
死亡リスクが高くなったり、アルツハイマー病のリスクが上がったりすることが報告されています。

そこでUCLAのスティーヴ・コールらは、社会的に孤立し慢性的に強い孤独を抱えた人は、
免疫システムの遺伝子発現が変化しているのではないかと考え、孤独な人の免疫細胞を調べました。
その結果、孤独感を感じている人は、炎症にかかわる78の遺伝子が過剰に発現となっており、
逆に抗体の生成や抗ウィルス反応にかかわる131の遺伝子は発現量が低下していました。
つまり、孤独感は、心臓病、アルツハイマー病、関節炎など、炎症を伴う病気や、
ウイルス性の風邪などにかかりやすくさせるような遺伝子発現がみられたわけです。

おもしろいことに実際に孤独かどうかより、自分が孤独だと主観的に思うかどうかが
こうした免疫細胞の動向とかかわったそうですから、「わたしは孤独だ」と感じている人は
積極的に人とかかわるだけではなく、「わたしには仲間がいる」と思い込むことが大切です。
「孤独にパチンコをしている」とは思わず、「ここにいるパチ仲間とパチンコしている」と
思うことが大事ですね。

Genome Biol. 2007;8(9):R189.Social regulation of gene expression in human leukocytes. Cole SW, Hawkley LC, Arevalo JM, Sung CY, Rose RM, Cacioppo JT. Source Department of Medicine, Division of Hematology-Oncology, UCLA School of Medicine, Los Angeles, CA 90095-1678, USA. coles@ucla.edu

諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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