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けんぱちコラム
2014.02.18

033.リラックスし過ぎると、かえって神経を興奮させてしまうらしい

動物は、頑張る場面や戦う場面では交感神経の活動を強めます。
一方、食べ物を消化したりリラックスしたりする場面では、副交感神経の活動を高めます。
ストレスを感じると交感神経の活動が高まるので、このストレスの多い時代では副交感神経の活動を高め、
リラックスすることが求められています。

ちなみにパチンコはすごく興奮するので交感神経を高めると思われがちですが、
実際計測すると副交感神経の活動が高く、実は、パチンコプレーヤーはパチンコしながら
癒されていることがよくわかります。
もっとも、回らない台を打っているときにはイライラして交感神経活動が高まり、
あるラインを超えると止めてしまいますが。

さて、興奮にかかわる交感神経のコントロールには、延髄吻側腹外側部(RVLM)神経が
かかわることが知られています。
↓のラットの実験によって、体を動かさない生活をしていると、延髄吻側腹外側部(RVLM)神経が
枝分かれを増やすことがわかりました。
リラックスすると交感神経を休めるのですが、リラックスが過ぎると交感神経の働きが良くなってしまい、
簡単な刺激でもやたらと交感神経活動が高まってしまうのです。

昔から、運動不足がイライラを高めたり、血圧を上げたりすることはよく知られていますが、
そのメカニズムの一端が明らかになったわけです。何事もほどほどに、リラックスもし過ぎたらいかんわけですな。

Mischel NA, Llewellyn-Smith IJ, Mueller PJ. Physical (in)activity-dependent structural plasticity in bulbospinal catecholaminergic neurons of rat rostral ventrolateral medulla. J Comp Neurol. 2014 Feb 15;522(3):Spc1.

諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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