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けんぱちコラム
2016.08.23

064.好みの異性のタイプ

私たちは年齢を重ねていくうちに、ファッション・食べ物・音楽などの好みが大きく変化することがあります。
しかし、脳科学的な観点から言うと、「好みの異性のタイプ」は意図的には変化することがありません。
「変化する」というよりは「妥協ができる」ようになるのです。

動物の脳は無意識に、見た目・声・感触・匂いなどから、異性のタイプを認識しており、
特に体臭から感じ取れる「HLA」という遺伝子からは、「ウィルスに強い」「寒さに強い」といった資質を
知ることができます。
遺伝子レベルで相性が良い異性を感じ取っている以上、好みのタイプが一定になるのは当然であり、
脳科学的には、「好みのタイプ」とは「生物として生殖する相性がいい相手」だと産まれた時から決まっています。

しかし、このことは年齢を重ねていくことで緩和される傾向にあります。
男性の場合は「なるべく多くの子孫を残す」という生物としての戦略上、様々なタイプの女性と恋愛が
できるような仕組みになっているため、相手から「好き」と言われると好きになったり、
相手を「良い人」と思ったりするだけで結婚ができるケースも考えられます。
女性の場合は、年齢を重ねると、俗に「フェロモンセンサー」とも呼ばれる、HLA遺伝子の匂いを嗅ぎ取る
「鋤鼻器官(ヤコブソン器官)」の感度が弱まるため、妥協するようになり、激しい恋には落ちなくとも、
人間性の良さだけで結婚できる確率が高まるのです。

諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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