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けんぱちコラム
2020.06.23

108.孤独は脳内で自分と他者を遠ざけるらしい

健康や幸福には社会的つながりが重要になってきますが、脳が他の人々とのつながりをどのように
表現しているかは不明です。

脳が他者をどう表象しているのかをfMRIで調べた研究では、男女43名が、16のターゲット
(自己、5人の近しい人、5人の知人、および5人の有名人)を想像するとき、各ターゲットへの
主観的な近さ、および自身の孤独度を調査しました。

その結果、内側前頭前野皮質(MPFC)と、いわゆる社会脳で、ターゲットは三つに分類されて
いたそうです。
具体的には、自己、ソーシャルネットワークメンバー(近しい人や知人)、有名人でクラスターを
作っており、主観的近さでMPFCと社会脳の活動が増加していたそうです。

また、社会的つながりが少ない(つまり孤独な)参加者は、MPFCで自己と他者の間の表現の類似性を
低下させることと関わったそうです。
このことは、孤独な個人が「人は私の周りにいるが私と一緒ではない」などの発言を行う理由を示して
いるのかもしれません。

Self-other representation in the social brain reflects social connection.
Courtney AL, Meyer ML.
J Neurosci. 2020 Jun 15:JN-RM-2826-19. doi: 10.1523/JNEUROSCI.2826-19.2020. Online ahead of print.
PMID: 32541067

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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