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けんぱちコラム
2021.09.21

123.「遊技障害のおそれのある人」と臨床例等との乖離と予防について、その⑧

前回のコラムの続きです。

現在、遊技業界はギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づき、
「新たに広告宣伝に関する指針を作成、公表。注意喚起標語の大きさや時間を確保」
「通年、普及啓発活動を実施するとともに、啓発週間に新大学生・新社会人を対象とした啓発を実施」
「自己申告プログラムの周知徹底・本人同意のない家族申告による入店制限の導入」
「自己申告・家族申告プログラムに関し、顔認証システムの活用に係るモデル事業等の取組を検討」
「18歳未満の可能性がある者に対する身分証明書による年齢確認を原則化」
「施設内・営業所内のATM等の撤去等」
「出玉規制を強化した遊技機の普及、出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発・導入」
「自助グループをはじめとする民間団体等に対する経済的支援」
「依存問題対策要綱の整備、対策の実施状況を毎年度公表 」
「第三者機関による立入検査の実施」
「「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」による対策の強化」
「相談データの分析によるギャンブル等依存症問題の実態把握」を実施または着手しています。

今後、この基本計画をより実効性のあるものとしていくべく、横断的な全国調査のみならず、横断調査では
推定できない因果関係を探るため、ADHD傾向、不安傾向、性格、認知の歪み、健全遊技行動、広告接触、
遊技台の射幸性、遊技量等と、遊技障害のおそれについて、個人を繰り返し測定する縦断調査が各種実行
され続けていくべくきであると考えられます。
その一部は当財団でも実行されていますし、業界団体や関連企業などでも実行中、企画中であったりもします。
遊技業界は、そうした研究を推し進め、その成果を生かした科学的、実証的な遊技障害対策を強力に推進して
いくべきであると考えられます。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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