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けんぱちコラム
2022.02.23

128.「遊技障害のおそれのある人」と臨床例等との乖離と予防について、その⑬

前回のコラムの続きです。

以下、遊技障害研究最終報告書、西村先生の論考からの引用です。

まだまだ、多くの調査・研究を要しますが、本研究会が、治療的アプローチに制約されず、より広い視点で
パチンコ・パチスロ遊技障害の調査・研究を行ってきたことで、プレイヤーの実態(障害うたがいの特性に
関する論文)や問題化と関連する要因(4群特徴比較論文)、自然回復の可能性(面接調査論文)、プレイ
ヤー教育や啓発に有用な情報(認知の歪み論文、ハイリスク論文、負け額推定論文、債務整理体験論文)
などが、徐々に明らかになっています。

これらの成果は、簡易介入や自己修正の支援、健全なプレイの促進を含むプレイヤー教育などが国内対策でも
役立つ可能性を支持するものであり、今後さらなる調査・研究と社会的な実装による成果の検証が期待されます。
日本のパチンコ・パチスロ遊技障害対策は、ギャンブル等依存症対策基本法に明記されてごとく「事業者の責務」
です。商業娯楽の商業活動と負の影響対策は相反するように見えますが、娯楽の社会的価値を高めるという点に
おいて車の両輪のような関係にあります。

パチンコ・パチスロ遊技障害対策は、医療機関の仕事ではなく、産業の責務の下で着実に実践されるべき課題
です。さらなる取り組みの試行錯誤とその知見の集積が望まれます。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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