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風営法コラム
2017.04.04

041.コラム 風営法万歳! ~ 小規模保育事業にヒヤリ

風俗営業許可申請の準備として保全対象施設の調査をすることがあります。

保育所の新設が気になるので、市区町村の保育所の認可担当に電話で問い合わせます。
その際には必ず、「これから新規に開設される保育所の情報はありますか?」と尋ねます。

保全対象施設は将来の利用まで含まれますから、今存在していない施設も調査対象です。
しかし、行政側も未来の開設情報をいつ公表するかは微妙な問題です。
手続上未確定の段階もありえるのです。

2月の時点では「認可保育所の新規開設の情報はありません。」という回答だったのですが、
その後ある筋から情報が入りまして、認可の施設が4月からオープンするのだと。

規定距離内の施設なので、それが本当なら許可をもらえないことになります。大問題なのです。

急ぎ、市役所の保育所の担当に電話をすると、確かに「児童福祉法の施設として認可予定の
施設が4月からオープンします。」とおっしゃいます。

「おかしいなあ、2月に電話で聞いた時には、その情報は無かったのですけれど。。。」

新規開設の情報がいつ公開されるべきという決まりはありませんし、
担当行政庁がその時期に把握していなかったものは仕方がありません。

つまり、保全対象施設の調査には限界があって、風俗営業の不許可リスクを意識して
出店しないと恐ろしいことになります。

ところがその後、市役所から連絡がありました。

「あれは児童福祉法の小規模保育事業者として認可を受けるもので、児童福祉施設ではありませんでした。」

ちょっとわかりにくいですよね。児童福祉法の中では何種類かの事業形態を定めているのですが、
その中に児童福祉施設というタイプがあって、これが風俗営業における保全対象施設の一種となります。

そして、小規模保育事業者も児童福祉施設と同様に児童福祉法の認可を受ける必要がありますが、
児童福祉施設には含まれていない事業形態なのです。

ややこしいですが、小規模保育事業者に過ぎないのであれば、児童福祉施設としての認可を
受けていないので保全対象施設ではない。つまり問題ないということなのです。

おそらく私が最初に電話で聞いた時には、私の質問の意図を分かっている人が正しい回答をしたのでしょう。
その後、私が確認のために電話した時には、あまりわかっていない人が回答してしまったようです。

そういうことがわかって、ホッと胸をなでおろしましたが、怖いなあと改めて思いました。

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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