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風営法コラム
2020.03.10

071.コラム ~ 全国の特例風俗営業者数を分析

平成30年末のデータですが、特例風俗営業者の認定数について、営業種別と都道府県別のデータがありました。
さてクイズです。

パチンコ店の特例風俗営業者数が一番多い都道府県はどこでしょう?

その前に。1号から5号までの風俗営業での特例風俗営業者数は全国で379件あります。

このうち、パチンコ店は176件なので、全体の約46%を占めています。

そして、パチンコ店の認定件数で一番多いのは警視庁、つまり東京で、38件。
次いで多いのが千葉県で37件、その次が熊本県の18件、さらに神奈川県の16件でした。

東京はパチンコ店が多いので自然ではありますが、千葉と熊本が多いのは意外です。
行政と業界との連携がうまく行っているのでしょうか。

一方、大都市を抱えているのに件数が少ないのは大阪府の2件、そして福岡県と宮城県がゼロ件ですが、なぜでしょう。
行政サイドの姿勢の違いと、その背景にある地域的実情が関係しているのでしょうか。

面白いのは、東北と中部地方では、1号営業の認定件数が多いのです。
一般的に都会では認定件数が少なく、地方になるほど多い。

これはおそらく、認定を受けている営業所が老舗のまじめな経営をしている店舗であろうと推測されます。
たとえば、旅館の料亭が個室で風俗営業の1号の許可を取得しているケースがあって、これは温泉旅館などが
多い地域でよく見られます。

愛知県では和風以外の、つまり一般的なキャバクラのようなタイプと思われる1号社交飲食店の認定件数が多いのですが、
名古屋は比較的に息の長い店舗が多いと言うことなのでしょうか。
私の地元、神奈川県では1号飲食店での認定件数はゼロですが、実際のところ、特例風俗営業者になりたいという相談さえ
来ませんから、認定申請したい人が1号ではいないのでしょう。

認定を受けるメリットは、飲食店の場合は管理者講習の免除くらいしかないのですが、
それさえもいやだから認定を取るということなのでしょうか。

パチンコ店では構造変更承認申請をよく(といっても数年に一度でしょうが)行うので認定を受けるメリットが
大きいのですが、その割には件数が少ないですね。

マルハンさんのような大手チェーン店の場合、どうしても全国のどこかで指示処分がでてしまうので、
認定要件を満たすことができないということはありますが、中小ホールでも認定取得率はまだまだです。

受動喫煙対策としても、認定を受けている方がなにかとメリットが大きいと思いますし、それを想定して
駆け込みで認定を受けたパチンコ店もありました。

それにしても、パチンコ店の認定件数がゼロという地域はどうにかしてほしいと思います。



風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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