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風営法コラム
2024.01.10

111.コラム 風営法万歳! ~ 風俗営業者の休業の届け出?

2024年もこのコラムをよろしくお願いします。

さて。ホール業界では年明け早々から休業や廃業の話が増えています。
営業所を完全に廃業し、他者に営業を譲渡する可能性がないのであれば、風俗営業許可証を返納する
手続きを行って終了となります。
この際に撤去遊技機明細書の確保が必要であれば、返納前に遊技機の変更届出をしておくことを検討
しましょう。

ホール営業を他のホール事業者に営業許可ごと譲渡したいが、譲渡先が見つかるまでしばらく休業したい
というケース。
このケースでは、会社法の分割又は合併による営業許可の承継手続きを行う可能性がありますが、そうで
あれば風俗営業許可を存続させておく必要があります。
つまり、風俗営業許可証を返納しないまま、しばらく休業することになります。

この場合に公安委員会に何か届け出が必要なのか。
風営法では<休業の届け出>という制度がありませんので、法律的な義務の問題としては「何もしなくて
よい」ということになります。

しかし、風営法第8条第1項第3号では以下を理由として、公安委員会は風俗営業許可を取り消すことが
できます。

「正当な事由がないのに、当該許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業
を休止し、現に営業を営んでいないこと。」

この規定は、<一定の条件が発生したら許可を取り消せ>ではなく、<取り消してもいいよ>という意味
です。
これは、事業者に営業再開の意思がある限りは原則として取り消したくないということでしょう。

言い換えれば、実質的に廃業状態にあるのであれば、6か月様子を見て許可取り消しできるようにしておく、
という趣旨かと思われます。

では、ホールが休業する場合ではどう考えたらよいか。

「定期的に遊技機の入れ替え申請をしているホールが急に警察署に来なくなった。なんでだろう?廃業した
のかな?だとしたら、その実態を把握しておかないとな。」
といったように、警察としてはなんとなく気になってしまいます。

こういったことを防ぐためには、ホール事業者から警察署に
「〇月〇日から休業しますが、今のところ◎月◎日には再開の予定です。」のような報告をしておくと、
余計な誤解を生まないで済みます。

一部の都道府県では「休業届」の様式があり、それを使用して休業の際に届け出をさせていることも
あるそうです。

様式があった方が、ホール事業者としても報告方法で悩まないで済むので便利です。
様式が存在しない場合は、次のような内容でよろしいかと思いますが、ご参考まで。

**************
休業の届け出

〇年〇月〇日

〇〇公安委員会殿

事業者名:
事業者所在地:
代表者名:
電話番号:

営業所の名称:
営業所所在地:
電話番号:

休業予定期間:
休業の理由:

****************

詳しくは警察署にご相談ください。

 

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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