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けんぱちコラム
2024.04.23

154.人はどうして寝ないといけないのか?

人はどうして寝ないといけないのか、それは寝ることが身体や脳、こころの健康にとって必要だからです。
具体的には、寝ている間に体や脳の細胞の修復と回復が行われます。
それから、成長ホルモンが分泌されます。このホルモンは、骨の成長を促進し、筋肉の増加、脂肪の分解を
促し、体内の糖やタンパク質の代謝にもかかわります。

寝ることの役割としておもしろいのは、勉強したこととか、昼間学んだことの整理と固定が、睡眠中、
とくに深い睡眠中に行われます。一夜漬けだと、睡眠回数が少なくて記憶の定着が進みにくいです。

この睡眠中の記憶の定着など、学習しているわけではない時に脳が勝手に学習を進める学習をオフライン
学習と言いますが、このオフライン学習、褒められたときの方がすすむようです。出来れば一人より二人、
多くの人に褒められた方がいいようなので、家の人や周りの人には褒めてくれるようにお願いしておいた
方がいいです。

また、睡眠に関してちょっと面白いのは、生き物はそもそも寝ている状態が普通という考え方です。
生物の活動状態(覚醒している状態)は、エネルギーを大量に消費し、生存に必要な資源を探求するための
一時的な状態であり、その一方で、休息や睡眠の状態は、エネルギーの消費を抑え、体の修復や成長、
記憶の整理などの重要な生理的プロセスを行う基本的な状態というわけです。
この考え方には、単細胞動物でも一種の周期性、昼夜リズムなどを持つので、両方あるのが普通だろうと
いうツッコミがありますが、そのくらい睡眠というのは大切だと考えてください。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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