研究会
けんぱち研究会
TOP>けんぱち研究会TOP>けんぱちコラム>156.認知機能低下予防あれこれ
けんぱちコラム
2024.06.18

156.認知機能低下予防あれこれ

余暇活動は頭の働きの低下予防や認知症の予防に役立つ可能性があります。
以下、いくつか研究を紹介します。もちろんパチンコも認知機能低下予防に役立ちそうです。
とくに健全に遊ぶことで認知機能はより高く保てそうです。

・認知的な余暇活動が認知症の予防にかかわる
身体的な活動を行っている人の全認知症発症リスクは17%程度低くなっており、社会的な活動では
7%の低下、認知的活動(頭を使う活動)はさらに効果が大きく、23%の低下。
アルツハイマー病に限ると、社会的活動の影響は認められず、身体的活動で13%の低下、認知的活動
で34%の低下が認められた。
・中高年期の、読書、パソコン操作、社会活動、ゲーム、クラフト活動はおすすめ
男女2000人(平均年齢78歳)を中央値で5年追跡調査、532人がMCI。
中年期にPCを使用していなかった人に比べ、使用していた人でMCIのリスクが48%低く、高齢者
でのPC使用では30%低かった。
友人と交流したり、映画を観に行ったりするなど社会活動の機会がある人や、ゲームを楽しむ
機会がある人では、MCIリスクが20%低く、クラフト活動では高齢期でのみMCIリスクが42%
低下したそう。
また、頭を使う活動の機会が全くない場合と比べて、2種類の活動で28%、3種類で45%、4種類で
56%、5種類で43%と種類が多いほどリスクの低下が認められた。

・ゲーム関連
娯楽目的でデザインされた従来のビデオゲームは、持続的注意、更新、計画、実行制御処理など、
高齢者の認知を改善することが観察されている(Chiappeら、2013;Houら、2019;McCordら、2020)。
Belchiorら(2013)は、アクションゲーム(Medal of Honor)とアーケードゲーム(Tetris)の
従来型ゲームは、高齢者の有用視野(UFOV)パフォーマンスにおいて対照群よりも優れていると
判断した。
従来のビデオゲームとは異なり、認知トレーニングゲームは、注意、処理速度、実行機能といった
高齢者の認知を改善するために特別に開発されている(Buitenweg et al.)。
仮想現実/シミュレーション(VR/Simulation)ゲームが提供する没入型仮想環境は、注意散漫を
減らし、注意と集中力を保持することによって、高齢者の認知(実行制御と処理速度)パフォー
マンスを向上させる(Bashiriら、2017;Appelら、2020;Zahabiら、2020)。
さらに、エクサゲームは、ビデオゲームと身体運動を組み合わせることで、
健常高齢者や臨床高齢者のグローバル認知、ワーキングメモリー、注意プロセスを改善する
(Choi et al., 2017; Hill et al.)。

「はげひげ(菊仙人)」の脳的メモから
https://kikusennin.seesaa.net/article/503488758.html

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

記事一覧へ戻る
PAGETOP