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風営法コラム
2014.11.11

013.コラム 風営法万歳! ~ポイントがずれてるような

  先月、ダンス規制の緩和に関する風営法の改正案が閣議決定されました。
客にダンスをさせるタイプのクラブ営業はこれまで深夜の営業ができなかったところ、
改正後は公安委員会の許可を受けることと引き換えに深夜営業が可能となりました。

しかも、この許可営業は風俗営業ではなく、改正法により新設された「特定遊興飲食店営業」という
別種の営業形態ですから、今後クラブ業界は風俗営業者であることにより不利益な扱いを受けない
ことになります。

また、一般のダンス教室のように深夜以外の時間帯に営業するダンス系サービスは
風俗営業ではなくなり、許可が不要となりました。

このように<深夜営業の合法化><風俗営業からの脱出>という果実をクラブ業界が
獲得できたのは、世論を巻き込み、政治家も動かして風営法の改正に堂々と挑んだからです。

一方、ホール業界はどうでしょう。
世論を意識した法改正という発想があったでしょうか。

広告や遊技機の性能、賞品の取扱いなど、売り上げに直接影響しそうなところには関心が向くようですが、
制度としておかしなところを長期的な視点で是正する努力があったでしょうか。

たとえば、従業者名簿における本籍記載義務の撤廃は、ホール業界よりもクラブ業界の活動の影響が
大きかったのではないかと推測しています。

一方で、先月に従業者名簿に関して内閣府令の改正がありましたが、元々法的に必要が無いはずの
確認資料の保存を行政指導に従って長年行っていたホールがたくさんあります。

本籍確認が不要になったにも関わらず、今後も相変わらずそれを続けようとするかのような動きも
一部にあるようです。

行政庁に対して名簿のことなどでいちいち遠慮するのはある意味で健気ではありますが、
今重要なポイントは、「賭博と一線を画する規制」の部分であって、そこをしっかり理解し、
遵守しなければならないのです。

その点を後回しにしておいて、すでに遊技場営業において意義の薄くなった従業者名簿関係の
事務に関して無用の気遣いをするのであれば、押さえるべきポイントがずれているようにも感じます。

今、社会から期待されていることは何か。
目の前の風景ではなくて、もっと大きな視野で捉える必要があると思います。

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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