風営法研究会
前回に行政手続法の話をしました。
風営法に基づく手続もこの法律の影響を受けています。
皆さんが行政手続法を読んで見たとき、その内容とホール業界が日頃接している風景
との違いに思いがいたるでしょう。
しかし過去を振り返れば、行政手続法は着実に浸透してきたと思います。
ホール業界は行政手続法について、もっと関心を持つべきでしょう。
この法律は一部改正されて今年(2015年)4月から改正法が施行されています。
興味深い点がいくつかありますが、その中で特に気になる部分を紹介します。
行政手続法第三十六条の三
1 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき
処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされ
ていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導を
する権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をする
ことを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な
調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導を
しなければならない。
以上
要するに、一般市民は「このパチンコ店は法令のこの条文に違反しているから処分し
てください。」と公安委員会に申し出ることができ、それについて公安委員会は、
「必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は
行政指導をしなければならない」のです。
正式な申し出を受理したら、行政庁は調査と判断をしなければならないのです。
実際にそのとおりになるかどうかはさておき、世の中は変化していのですから、旧態
依然の感覚は早々に切り替えていただきたいと思うのです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗