風営法研究会
役員や店名などに変更があったときは、風営法に基づいて公安委員会に届出をします。
届出書の下の方には、「変更の事由」という欄があります。
ここに何を書くべきか悩むことがあると思います。
そもそも「事由」とは何か。
変更の「理由」のことだと解釈し、構造設備を変更した理由として「設備が古くなったから」とか、
役員変更の理由として「体調不良のため」と書いてしまうとすると、ちょっとズレている感じです。
「事由」は「事実と理由」という意味だと思われますが、「なぜそのような変更をしたのか」よりも、
「なぜ届出をしなければならないのか」を記入するのがよいと思います。
なぜなら、届出を受理する行政担当者の立場を考えると、「変更の事由」を見ただけで、
その届出をする法的な必要性がわかれば、受理してよいのかどうかを判断しやすいし、
簡潔な文章で変更の内容や背景がわかれば、それらの書類を管理しやすいからです。
例えば、遊技機の部品の変更を行う場合の変更の事由としては、
「ぱちんこ遊技機10台に不正対策部品である外部コンピュータハーネスを接続した。」などと書きますし、
構造設備の変更を行う場合の変更の事由としては、
「営業所1階の南側入り口に風除室を増設したので営業所床面積が増床する。」といった具合です。
なお、「届出」は変更の後で提出するので、変更の事由は過去形の表現になるでしょうし、
「承認申請」ならこれから行う変更について申請するので、未来形の表現になるでしょう。
「変更の事由」欄とは別に「変更事項」という欄があります。
この「変更事項」の欄では、公安委員会に対して届け出るべき事項について、具体的にどのような
変更が行われたかを、変更の前後の違いがわかるように記入します。
届出書の表紙を見ただけで手続の概要がわかるのが理想的ですが、文章が長すぎて書ききれない場合は、
概略の説明を表紙に記載し、続けて「詳細は別紙のとおり」と記載して、
詳細な情報を記載した別紙を添付すればよいでしょう。
表紙のすべての欄に「別紙のとおり」としか書いていない書類を見かけることがあります。
これではいちいち書類をめくって別紙を見ないと内容がわからないので、管理する人は不便だろうなあと思います。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗