風営法研究会
構造設備の基準(風営法施行規則第7条)についての続きです。
パチンコ店を含む新4号営業における基準の一つに次の事項があります。
五 第三十二条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
騒音又は振動が、条例で定められた数値に満たないで済むための構造設備を要求されています。
騒音又は振動が、条例で定められた数値になってしまいそうな場合は、騒音や振動の発生源を無くすか、又は防音設備等を追加して騒音等を軽減するなどして、条例で定めた数値にならないようにしてください、ということです。
条例では、営業所が置かれた場所の用途地域と時間帯に応じて「デシベル」という単位で数値を定めています。
ですので、騒音又は振動が法令に違反していないことを確認するために、弊社でも一応は騒音計というものを持っています。持ってはいますが。。。
あまり使い道がありません。実際にホールの入り口あたりで騒音を測ってみると、条例で許容される数値を超えてしまっていることが多いのです。だからと言って、ただちに違反だとは限りません。
どうしても街の雑踏や自動車の騒音などが混ざってしまうのです。
余程ひと気の無い街で、天候も穏やかな日を選んで測定すれば、多少は低い数値に抑えられるかもしれませんが、多くのホールではかなり無理があります。
要するに、単純に騒音や振動を測定しても、あまり意味がないのです。
かといって騒音や振動を無視してよいということではありません。
営業所周辺の生活環境への悪影響を抑制するのが風営法の趣旨なのですから、騒音や振動が近隣住民の生活に迷惑にならないように配慮すればよいのだと思います。
住民から騒音などの苦情がはいれば、警察としては営業所の実態を調査せざるを得ません。
そのような場合には、騒音や振動を厳密に測定することよりも、住民にとって迷惑になっているかどうかが重要となります。
ホール営業の重大リスクにかかわる問題として捉えていただきたいです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗