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風営法コラム
2017.01.11

038.コラム 風営法万歳! ~ 移動パチンコ店の夢を見た

移動する列車やバスの中でパチンコ屋営業ができたら。。。
新年に、そんな夢を見ました。

島設備がなくとも営業できる、新しいタイプの遊技機が登場したら、そんなことがありえなくもないような。

では、そんな「移動風俗営業」は法的に可能なのかどうか。
法令を調べても、「移動風俗営業」について書かれた条文は見当たりません。

風営法第三条では、

「風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(略)に応じて、営業所ごとに、
当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(略)の許可を受けなければならない。」

と、ありますが、移動中の交通機関での営業を認めないという規定は無いようです。

それどころか、警察庁が定めた解釈運用基準では、ズハリ!、「移動風俗営業」の存在を
前提とした文章がありました。以下抜粋。

複数の都道府県において営まれる移動風俗営業(フェリー、バス、列車等常態として移動する施設において
営まれる風俗営業をいう。以下同じ。)を営もうとする者が風俗営業の許可を受けようとする場合には、
当該営業を主として営むことを予定している地域を管轄する一の都道府県公安委員会(略)の許可を受ければ
足りるものとして取り扱うものとする。
なお、移動風俗営業に係る営業所は、当該移動風俗営業に係るフェリー内の一室、バス又は列車の一車両等で
あると解されるので、フェリー内の各室、バス又は列車の各車両等のそれぞれにつき一の許可を要する。
 以上

つまり、列車の中で遊技機を設置して客に遊技をさせる場合に、風俗営業の第4号又は5号の遊技場営業許可を
申請できるわけです。

その際に申請先は、「主として営むことを予定している地域を管轄する一の都道府県公安委員会」とあります。

たとえば、横浜駅と松本駅を往復する「お座敷列車(はまかいじ号)」でパチンコ屋営業を行うなら、
神奈川県、山梨県、長野県の、いずれが管轄になるか決めがたいですが、「主として」、さらには「予定」と
ありますから、神奈川県を通過中に一番営業が盛り上がるだろうということで、とりあえず出発駅である横浜駅を
管轄する警察署に許可を申請をするということはありうるかと思います。

さらには、「バス又は列車の各車両等のそれぞれにつき一の許可を要する」とありますので、
使用する車両が2両なら二件の許可申請になります。

列車の内部の構造設備基準はクリアできるでしょうか。
イスの背もたれは高さが100cmを超えそうなので、撤去が必要でしょうか。

入口には立ち入り禁止の表示をして、許可証も掲示しましょう。
営業中は18歳未満の方は客として立ち入れません。

飲酒は条例により禁止、酒たばこの販売もできません。
賞品棚もそれなりに必要ですね。

使用承諾書はJR東日本からいただくでしょう。
営業所周辺の略図は・・・・要りませんね、たぶん。

許可を受けるためのポイントは、こんなところでしょう。
しかし、こんな許可申請を審査するハメになる方々の気分を想像すると、胸が痛みます。

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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