風営法研究会
受動喫煙防止対策が厚労省で法案化されつつあります。
最近のニュースで話題になっていた厚労省の「基本的な考え方」を見ると、
飲食店については原則禁煙としつつ喫煙専用室の設置を認め、
一定の面積を下回る飲食店は喫煙を禁止しないことになっています。
「一定の面積」は、すでに施行されている神奈川県の同種の条例では100㎡が
基準になっていますが、法律ではもっと厳しくなるかもしれません。
さて、ホール営業の場合がどうなるかですが、この調子だと「原則禁煙で分煙可能」
となりそうな気配です。
では、ホールで喫煙専用室を設置する場合の注意点は何かと考えますと、
構造設備の変更に関して手続きが必要となる可能性があるという点が重要です。
まず、変更承認申請がありえます。分煙をする以上は、空気を遮断するための
物理的な区画を作ることになりそうですが、これは個室を一つ作るのと同じことです。
営業所内の既存の空間を二つに仕切ったり、新たに営業所を拡張して空間を
作ったりする場合は、あらかじめ公安委員会に変更承認申請を行い、
適宜検査を経て承認を受けなければなりません。
この手続きに関連して、一時的に変更エリア周辺が営業上使用できなくなる
期間が生じる可能性があります。
もし、既存の空間を同様の間取りのまま喫煙専用室として利用するのであれば、
その用途変更に伴って構造設備を新たに設置、又は撤去した場合には、
それらについて変更届出が必要となります。
たとえば、従業員控室を喫煙専用室として使用した場合には、控室のロッカー等の撤去と、
喫煙用のイス、テーブル等の設置について変更届を公安委員会に提出します。
照明器具も同時に変更されていれば、それについても変更届出が必要です。
手続の種類が「承認申請」と「変更届」のどちらであるかは重要な判断ですので、
工事の企画段階で担当行政部署に相談するなどしていただきたいです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗