研究会
風営法研究会
TOP>風営法研究会TOP>風営法コラム>049.コラム 風営法万歳! ~ 遊技機一台で許可申請できたら無駄がないのに
風営法コラム
2018.02.06

049.コラム 風営法万歳! ~ 遊技機一台で許可申請できたら無駄がないのに

ホール営業では日常的に、遊技機を設置するための変更承認申請を行っていますが、この場合は公安委員会による
「承認」を受けることになります。
一方で、新規に開業する際には、遊技機の設置について「許可」を受けることになっています。
「承認」も「許可」も、実質的な意味は同じです。

さて、パチンコ店が新規開業の際にパチンコ店営業の許可を受けるとき、その申請書類の分厚さは
他の風俗営業の場合とは比較になりません。
社交飲食店の許可申請なら、少し大きめのホチキスなら充分貫ける厚さですが、パチンコ店の場合は
ひも綴じかパイプファイルを使うことになります。
厚さのほとんどの部分は遊技機の検定書の写しと保証書が占めますが、遊技機の台数が多いと厚さ20㎝くらい
になったりします。
遊技機の保証書類を集めるのに一体どれくらいのお金がかかっているのか。
少なくとも数百万円規模、場合によってはそれ以上になることもあるのでしょうか。

では、そうやって多大なコストをかけて設置の許可を受けた遊技機が、実際に使われるのかと言うと、
そうはゆかないのです。
許可申請から許可通知までおおむね二か月。
その後、遊技機の入替申請をして本格的なオープンまでにさらに1週間。
機種選定に関わる実情はその間に大きく変化しているので、許可申請時に申請した遊技機をそのまま残して
グランドオープンというわけにはゆかないそうです。

私は手続の担当なので、そのあたりの詳しい実情は、実はよくわかりませんが、
これは数百万円のコストをかけるほどの問題だと言うことはわかります。
1000台の島設備を作った店は1000台分の保証書を添付して許可申請しなければならない。という理由はなんなのか。
確かにスジは通っている話ですが、行政担当者は1000台分の台検査をするのです。
基盤番号を確認し、ロムチェックをし、半日では済まないので何日かに分けて検査することもありますが、
そうやって行政側も時間をかけた結果、多くの遊技機が使われない。
これは経済的に見れば、社会全体にとって無駄な作業です。
そういう無駄をなくせるように制度、解釈、又は取扱いを修正したらよいと思うのですが、いかがでしょう。

私が思うに、許可申請時には遊技機の保証書がなくてもよいとか、最低1台分あればよいとか、
そういったような取り扱いは現行法においても可能だと考えています。
そういう臨機応変な対応がされないということは、今現在も様々の無駄が至る所に存在しているということになります。


風営法研究会
研究員 日野孝次朗

記事一覧へ戻る
PAGETOP