風営法研究会
受動喫煙防止対策としての健康増進法改正にともなって、風俗営業所で分煙した場合の風営法上の注意点などを
解説する講演を全国で行っています。
率直に申しますと、注意ポイントなんてたくさんありすぎて、事前にこまかいことを解説しても意味がないと思っています。
実際に分煙を検討する段階になって、ようやく意味がわかるのだと思います。
さて、パチンコ業界はとりあえず置いておきまして、マージャン店の場合です。
というのも、ホール経営企業又はその関連企業ががマージャン店を経営しているケースは少なくないのです。
で、その場合にご注意いただきたいのは、マージャン店における分煙はパチンコ店における分煙よりも一つ課題が多い、
ということです。
たとえば、マージャン店の客室を二室に分割して喫煙用の部屋を新たに一つ作りたいという場合。
遊技場営業には客室ごとの面積要件がないので(キャバクラなら二室目以降は16.5㎡以上)、一室を何室に分割することも
可能ですが、客室の変更にあたるので公安委員会からの承認が必要となります。
で、承認を受ける際に何が起こるか。
その新たな個室(客室)は外部から見通しが効くの?
という問題です。
パチンコ店ならこんなことは問題になりません。
でも、麻雀やカジノのように、違法賭博の発生が強く懸念される業態においては、警察行政はひどく気にします。
ですので、新たに個室を作ってそこで麻雀をさせるのなら、壁を透明にして外部からの見通しをよくするか、
営業中にドアを開放しておきなさい。
という話になりえます。
ドアの開放については「許可条件」として法的に義務化されて、これに違反すると重い処分を受けることになります。
せっかく喫煙室を作ったあとで、壁を透明にせよとか、ドアを開放せよと言われて工事費用がかさむのは
もったいないことです。
というわけで、麻雀、カジノにおいてはこの点をご注意いただきたいです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗