風営法研究会
前回も述べましたが、実務上の解釈には全国的にバリエーションがあります。
それもこれも、風営法の制度上、風営法の解釈は都道府県警で行っている現実があるからです。
国が作った法律だけど、許可を出し指導を行うのは都道府県。
まあそれはやむを得ないです。警察制度の基盤がそうなっているのですから。
とは言っても、風営法は国の法律なので、警察庁が解釈運用の統一化のために運用基準を定めています。
それでも、実際の判断は都道府県がやる以上、都道府県の判断には逆らえません。
じゃあ、基準には何の意味があるんだろう。まあ、参考程度ということですか。
ある都道府県での話です。
法人の分割の後で許可証の書換え申請を行いますが、その際に<法人の名称と本店所在地の変更について届出せよ>
と言われます。
法令としてそのようなことはないはずです。
だって、法的には「変更」ではなく「別人格への事業の承継」なのですから。
ところが、それについて指摘させていただいても解釈が変わらない。
そういう場合、私は一度の指摘でやめることにしています。
で。行政サイドのご意見を伺うと、「マニュアルに書いてあるから・・・」
(いや、そのマニュアルが間違ってるんですよ。。。)
これはいかん、と思い、警察庁の解釈を確認しておこうと思って電話しますと、
明らかに実務担当者ではない電話オぺーレーターさんが出てきまして、
「それは都道府県公安委員会に言ってください。」
(いや、もう言いましたって。。。)
こうして輪廻の様にグルグルと。。。まあ人がやることですから完璧はありえません。
担当者が3年くらいで異動するんですから、そりゃそうなりますか。
ですが、一度踏み外したらレールに戻るのは容易ではありません。
マニュアルに書いてしまったんですから。
当然ながら、法令解釈は統一されるべきだし、そのための工夫はもっとたくさんあると思いますよ。
たとえば国で統一マニュアルを作るとか。え?それが解釈運用基準なんだと?
そうですよね~。風営法万歳っ!!
風営法研究会
研究員 日野孝次朗