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風営法コラム
2020.04.06

072.コラム ~ 飲食業の営業自粛と補償について思う

コロナ流行への対策として、ついにパチンコ業界でも営業自粛の動きが出てきましが、メディアを全般を見ると、
飲食店業界の打撃の方が同情的な扱いになっています。

自粛要請の対象として「バー・ナイトクラブ」という言葉がよく使われていますが、自粛を要請するなら経済的な
損失の補償もセットにしてほしいという業界からの声。

でも一般的に、公的助成をする場合、助成を受ける事業者が法令を遵守し、しっかり納税していることが要求されます。

バー、ナイトクラブ、麻雀屋、カラオケ屋、居酒屋、漫画喫茶。。。

これらすべて風営法の規制と関わってくる業態ですが、風営法の視点でみても、いろいろ問題がありえます。

「バー」の場合、接待していたら風俗営業許可を取らねばならず、深夜営業していたら風俗営業はできないが
警察に届出する義務があり、風俗営業も深夜酒類提供飲食店も風営法施行規則が定める構造設備基準を
維持しなければならない。

じゃ、ガールズバーはどうなる?無許可で接待していないか。普通のバーと区別するのか。区別するならどうやって?

風俗営業の社交飲食店の場合、深夜営業は時間外営業をしている店が少なからずあって、ホストクラブとかもどうなのか。
許可としては社交飲食店であっても、ピンク的な営業もあるし、ほかにもいろいろあります。

深夜営業の居酒屋ならば、ちゃんと警察に届出して、しかも構造設備基準を守っているのか。
カラオケやネットカフェも、風営法の許可を受けないでよく、かつ深夜営業の届出もしないでよい業態を維持できているのか。

麻雀屋も賭博的行為や時間外営業の面で問題がないのか。
損失補償の対象となるのであれば、こういった法的問題点についてどう考えるのか。

またはそういったことは一切考えないで、なんとなくのイメージで業種を選別するのか。

「普通の飲食店だけ守ればいい」
世論としては多分そうなりますね。

では、バー・ナイトクラブはやっぱり除外ですかね。
除外しないなら、その他のグレーな業態とどうやって線引きを?

テレビを見ていると、経済的補償について気楽な発言が多いなと思います。
補償の費用は全て国民が負担する税金でまかなうという現実を忘れていませんかね。

ホール業界では自粛に対する損失補償なんて言葉は出て来ないと思いますけれど。



風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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