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風営法コラム
2023.08.14

106.コラム 風営法万歳! ~ 等価交換は誤解されやすい

パチンコ営業における賞品の等価交換。
これについてネットでどんな情報が出ているのか。

検索してみたところ、その多くが換金率に関する情報でした。
客がパチンコ店で獲得した賞品をどこでどう売ろうと、パチンコ店には関わりのないこと。

「等価交換禁止」という言葉も目に入りました。
誰が誰に対して禁止しているのかな?

「誤解」ですよね。
そういうふうに<誤解>されていることを業界としては認識しておきましょう。

このように、パチンコ業界で「等価交換」と言えば「換金における等価交換」がイメージされやすいわけです。

そしてもう一つの「等価交換」があります。
それは、パチンコ遊技で客が獲得した玉メダルを賞品と交換する際の等価交換です。

風営法では賞品の提供方法について規則で定めることにしており、国家公安委員会規則では

「当該遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品」
賞品として提供すること。

と定めています。
ここに書いてある通りで、遊技結果に対して等価の物品を提供する義務があるということですが、
ならば賞品の価格はどうやって決めるのか?
ということがよく問題になります。

これは簡単に言うと「市場価格で」ということです。
風営法解釈運用基準から関係箇所を以下に抜粋します。

「等価の物品」とは、同等の市場価格を有する物品をいう。市場価格とは、一般の小売店(いわゆる
ディスカウントストア等も含む。)における日常的な販売価格をいい、特別な割引価格はこれに該当しない。
以上

<消費者が日常的に購入する時の価格>という意味であって、その価格帯にはおのずと幅があり、
「ディスカウントストア等」での販売価格もありうるなかで、その価格帯の範囲内でパチンコ店が
妥当だと思う価格を決定すればよいのです。

これは客とパチンコ店が交換するときの「等価」であって、パチンコ店が賞品を仕入れるときの
仕入れ価格とは全く関係がありません。

パチンコ店がどれほど安く仕入れようとも、それはパチンコ店の自由ということです。

当然ながら、パチンコ店によって価格が異なることはありえるわけですが、注意が必要なのは、
同じ営業所内で場面によって価格設定が異なるのはオカシイということです。
風俗営業者がAという賞品について1000円と設定したなら、どの場面でも1000円として交換
されているはずなのに、なぜかそうならない。

その理由の背景に<世間に説明できない事情>が伺えれば、当局としては注目せざるを得ません。

業界で「一物二価」「二物二価」などと言う言葉あるのはこのためです。
どうして「一物一価」にならないの?

合法的な説明ができるかどうかを考えてみましょう。

なお、「等価」について厳密に考えすぎるのもいかがなものかと思います。
常識の範囲と言うものがあってよいと思いますが、それはまたいずれ。

 

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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