風営法研究会
最近(2023年11月頃)の話ですが、風俗営業1号(キャバクラ等)店舗の立ち入りに際し、
「店内に掲示する料金表示に不明瞭な部分がある」という理由で指示処分が出ているとのことです。
風営法第十七条
風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その営業に係る料金で国家公安委員会規則
で定める種類のものを、営業所において客に見やすいように表示しなければならない。
ホール業界には直接関係はありませんので、料金表示のチェックなどをする必要はありませんが、
風営法の規制を受ける業種として共通する問題が潜んでいるので、興味を持っていただきたいです。
このような立ち入りの背景には、夜の水商売におけるボッタくりの問題があります。
ボッタくりは昔から問題視されてはいますが、これにからんで最近になってホストクラブの問題性が
注目を集めています。
女性客に法外な料金を請求して売掛けにし、その返済の手段として性風俗店での働き先を紹介する
という手法。
これを予防する目的で警察が飲食店に立入りし、料金表示についてチェックすることになるわけです。
ボッタくり問題と「トクリュウ」との関係も指摘されています。
「トクリュウ」は「匿名・流動型犯罪グループ」の略で、ネット等を介した匿名の関係で離合集散
して犯罪を行います。
特殊詐欺や強盗などでこの手の手法が流行っていましたが、最近ではホストクラブもこれに関わって
いるとされ、ホストが女性客に性風俗業を紹介したとして職業安定法違反で摘発される事例が目立って
きました。
さらには、関連するホストクラブ、ソープランド等の営業所に対して捜査が及ぶ事例も増えており、
風営法違反を適用されて重い処分を受けるリスクも高まっています。
経営者がトクリュウに積極的に関係していたかどうかはわかりませんが、それによってなんらかの
利益を得ていたのであれば無関係ではなくなりますし、そういった誤解を受けるだけでも重大な
リスクとなります。
よって、店員がこういった犯罪に関係していないかどうかについて常に注意を払う必要もあると
いうことです。
警察庁はトクリュウ対策に本格的に取り組む姿勢を強めており、その動きはホール業界にも間接的に
影響を及ぼすでしょう。
その他の面でも今後、ホール業界がトクリュウに何らかの影響を受ける可能性がないか。
一応注意しておいた方がよろしいかと思います。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗