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風営法研究会
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持統天皇の時代(西暦689年)に双六(すごろく)禁止令が出されたという記録が日本書紀にありますが、
これが現在に残る記録として日本最古の賭博規制であると思われます。
私は古代史好きなのですが、689年はまだ律令国家が作られつつある時代です。
つまり、日本国家の誕生早々に賭博を規制する法律が作られたのです。
それほどに当時から、賭博は世間に定着していたのですが、当時の賭博は双六、つまり、さいころを振って
遊ぶゲームが主流だったようです。
ところで、持統天皇の前代が天武天皇ですが、この方は持統天皇の夫です。
その天武天皇が実はかなりのギャンブル好きだったようで、685年に大安殿で博戯の大会を開いた記録があります。
大安殿はのちの大極殿、つまり天皇が政治をする場所であり、現在で言うなら首相官邸か国会議事堂にあたるか
と思いますが、そういう場所に皇族や貴族を招いて「すごろく大会」を開き、御衣、袴、獣皮などを下賜した
そうですから、これはギャンブル大会と言ってよいでしょう。
天武天皇は遊び好きだったようですが、それを妻である持統天皇があとで禁止したのは、持統天皇は夫の
ギャンブル好きに眉をひそめていたからかもしれませんが、双六禁止令の具体的な内容はわかりません。
日常消費するものを賭けているのですから、現代でも違法賭博にはあたりません。
貴族たちは遊びでも双六をするな、という規制だったかもしれません。
だとすると、よほど双六に反感を持っていたかと想像します。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗