風営法研究会
2024年3月19日、業界団体から次のお知らせがありました。
警察庁より、「変更承認申請」「変更届」「認定申請書」に係る添付書類及び様式(記載方法)の
統一について、ホール関係4団体へ説明がありましたので通知いたします。・・・(一部省略)・・・
当面の間は、従来の書類でも申請できるとのことですが、手続きの簡素化の観点から本案内に沿った
書類の申請をいただくようお願いいたします。
以上
さて、この「お知らせ」を読んで気になったのは、最後の
「手続きの簡素化の観点から本案内に沿った書類の申請をいただくようお願いいたします。」の部分です。
これをホールの現場の皆さんはどのように受け取ったか。
偉いところからの「お願い」は命令と解釈される傾向があるからかどうか、行政書士事務所でもある
私どもの職場には、関係ホール様から「新書式に変更してください。」というご要望が来ております。
しかし、<新書式>に従うと、これまでよりも負担が増える部分があります。
弊社では遊技機の入れ替え申請において、申請書上に遊技盤番号や台番号は記載して来なかったのですが、
新書式ではそれを記載することとなっています。
そこで管轄の警察本部に問い合わせてみたところ、予想通り、
「従来のままでもいいし、記入してもいいし、どちらでも構わない。」
という意味のお話しをいただきました。
さて、どうしたものか。
手続の簡素化の観点から作られた新書式ですから、負担増加につながる部分は無視するのが、今回の取組み
の趣旨に沿った判断だと私は思います。
新書式にすべて従わなければならないのだとすると、事務負担の軽減よりも統一化の方が重要であるという
ことになってしまいますが、広域で展開していないホール企業にとっては、統一化はあまり関係のない話です。
こういう現象に付き合わされた結果として、日々の手続きの負担が増えてしまうのは避けたいところ。
行政書士としては、事務の負担を増やさず、むしろ負担を軽減し、しかも担当行政職員にとってもスムーズ
に事務処理をできそうな方法を独自に検討することになります。
その結果、新書式と異なる手続き方法になったとしてもやむを得ないことと思います。
業界団体からのお知らせの末尾では、「お願いいたします。」となっていますが、これは言葉のとおり
「お願い」であって、それにどのように従うかは事業者サイドの個別の判断でよいでしょう。
せっかく業界団体の皆さんが頑張って新書式を作ってくださったのですから、今回のことをきっかけとして
事務作業を軽減する結果につなげてゆきたいです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗