風営法研究会
最近、いろいろな〇〇カウンセラーという肩書があるようです。
環境カウンセラー、教育カウンセラー、投資カウンセラーなど。
ChatGPTでは、
「カウンセリングは、心理的な問題や困難に直面している人々を支援し、心理的な健康や
個人の成長を促進するプロセスです。」
という回答でした。
私も「カウンセリング」は心理カウンセリングのことだと思っていましたが、最近は相談や
助言もカウンセリングに含まれて解釈されているようです。
私は風営法の相談を受けますから風営法カウンセラーと名乗ってもよいのでしょうか。
一方では産業カウンセラーの資格も持っていて、心理カウンセリングもします。
だからというわけではありませんが、私は風営法の相談を受けるとき、心理カウンセリング的
な応対をしてしまいます。
たとえば、
「この広告宣伝は大丈夫ですか?」と質問されたら、
「あなたにとっての大丈夫とはどんなイメージ?」と聞き返します。
実際のところ、こういった「大丈夫」の意味が会社のなかでも立場ごとに異なっていることが
よくあります。
店長さんは「自分が上司から責任追及されなければ大丈夫」
部長さんは「指示処分がでなければ大丈夫」
社長さんは「面倒なことが起きなければ大丈夫で、面倒が起きたら全部部下のせい。」
この違いを明らかにしないで「大丈夫」を追い求めている人たちいますが、コンプライアンス的
にはかなりキケンな状態です。
だから、いちいち言葉の意味を明らかにしながら相談に乗らないと、
相談の意味がなくなってしまって、ただの気休めになってしまいます。
でも、こういう問いかけをすると、たいていの相談者は戸惑い、ときに腹を立てます。
「長い説明はいいから、さっさと答えだけ教えてくれ。俺は責任を取らされたくないんだよ。」
という雰囲気で相談してくる店長さんや経営幹部の方は珍しくないですが、
私の意図をご理解いただくにはかなりの時間がかかります。
社員が会社のリスクよりも保身を優先していたり、幹部が単純な思いつきでせっかちな法的判断を
していたり。
そういう会社様では、リスクから会社を守ることが困難です。
というわけで、会社経営の心配をしてしまう私は、つい相談者の立場と心理に踏み込んでアドバイス
してしまうのです。
会社にとってのリスクはこれこれ。
社長さん個人にとってのリスクはこれこれ。
社長の方針は明確ではない?ならば店長であるあなたにとってのリスクはこれこれ。
本来はこういう組織であるべきだけど、あなたの会社はココが弱点ですよね。
対処法としてはコレとコレ。でも無理なんですね。それはそちらの問題・・・
そういう意味では、私は風営法の助言をしながら心理カウンセリングもしているので、風営法の
カウンセラーと名乗っても間違いではないようです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗