風営法研究会
風俗営業許可申請をするときに使用承諾書というものを提出します。
これは店舗建物のオーナーさんから、風俗営業としての使用が承諾されていることを
証明する書面です。
使用承諾書には建物オーナーさんの署名押印をいただきますが、それを拒否されることが
たまにあります。
契約も済み、建物オーナーさんから使用の了解を得ているのに、賃借人が建物オーナーに
使用承諾書への押印をお願いしたら拒否された。
なぜそうなるかを心理的に分析すると。
使用承諾書には、
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第4号(マージャン店)の
営業所として使用するものとする。」
などと書いてあるのですが、なんとなく難しいことが書いてあるような気がして、
不安になってしまうオーナーさんがいるのです。
そして、弁護士などに相談して法律的な理解を多少深めることになるのですが、その結果として、
「風俗営業をやるとは何事だ。聞いてないぞ。」
のような反応を示されることがあるのです。
いやいや、麻雀店はオーケーだって言ってましたよね。
「でも風俗営業はオーケーしとらん。」
麻雀もパチンコもゲームセンターも風俗営業の一種なのですが、
風俗営業=性風俗営業=ひわいな営業
という連想をしてしまう人がこの世には少なからず存在します。
その誤解を解く必要が生じたときに、私などがオーナーさんの元へ派遣されることがありますが、
実に面倒くさいです。
なので、使用承諾書が頻繁にやりとりされているであろう風俗ビルでの出店ならば、
私はかなり気が楽です。
逆に、風俗営業としての賃貸は今回が初めてかも。
というケースでは不安になります。
なので、私は依頼人(出店者)の方に対して、
「風俗営業としての使用許諾について全面協力してもらえるようにすでに根回ししましたか?」
という問いかけをしつこくすることがあります。
あとからもめてしまうと大変なことになるかねないからです。
これほどに風俗営業という言葉のイメージは人によって異なるので油断ならないのです。
風営法研究会
研究員 日野孝次朗