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風営法コラム
2024.09.10

119.コラム 風営法万歳! ~ 新書式がくずれてゆく

「新書式」とは、2024年に発出された「変更承認申請」「変更届」「認定申請書」に係る申請書類の統一化
に関する警察庁への質疑回答によって成立した書式のことです。
私は行政書士でもあるので、これらの手続きの動向を注視しております。

そしてある程度は予想通りではありますが、新書式の運用が徐々に崩れてゆく風景を日々見聞きしています。
なぜそうなるか。
新書式が実務において不便なところがあるからですね。

それをいちいち説明すると話が長くなるので割愛しますが、この手続きを扱う人たちは、まずは店長さんと
ホールの事務担当者さん。
おそらく新書式はこういった人たちの意見をたくさん取り入れて考案されたのだと推測しますが、
そうでなかったらごめんなさい。

そして、所轄署の事務担当者さん。申請書類を受け付けて検査事務や審査処理を進めてゆく人たちです。

そして、今回の書式は行政側の事務担当者の意見を反映していないようです。たぶん。

そもそも、行政実務担当者の意見を集約することが不可能です。
そして、仮にそれができたとしても、彼らは最適な見解を述べることができないでしょう。

実務のあるべき姿を長期的な視野で整理整頓して最適解を見出すには、関係法令を完璧に理解し、
考えを整理してからでなければなりませんが、そんな余裕はないはずです。

なんとなく便利な方法を各職場で編み出して現在に至っていたと思うのですが、
それが全国的に不統一であるから統一したいと思うのも人情というもの。

でも、せっかく作った新書式も、実務担当者に不便であると思われてしまえば、
折に触れて修正を求められるものです。

「これはお願いであるから強制ではないけれど」
というご意向で修正を要求されたら、それを無視できる店長さんは少数派でしょう。
法令と解釈運用基準が存在していても、独自の解釈や温度差は元々生じていました。

そこに追加で新書式やガイドラインが追加されるとどうなるか。
余計複雑なことになってしまうことが予想されます。

それで本当に統一化できるのならよいのですけれど、ただ複雑になってしまっただけではないか。
それが世の中というものだ。と思って眺めています。

風営法万歳!

 

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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