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風営法コラム
2025.01.14

122.コラム 風営法万歳! ~ ホスト憎けりゃキャバまで憎い!?

悪質なホストクラブへの対策として風営法の改正議論がニュースになっています。
有識者検討会などの議論の内容がうっすら流れてくるのですが、その内容で気になるのは次のところです。

ホストが摘発された場合の処分対象を、ホストの在籍店舗だけでなく同じグループの他店舗にも広げる。

無許可営業などへの罰則も見直し、経営者ら個人には「5年以下の拘禁か1000万円以下の罰金」を、
法人には「3億円以下の罰金」をそれぞれ科す。

これらは現在のところ要望レベルではありますが、ニュース記事の情報がそのまま改正内容につながって
しまうことは多いです。

ホストクラブが社会問題化しているから対策が急務だ、ということはわかります。
しかし、ホストクラブに対する規制というのは、キャバクラ、麻雀、パチンコ営業など、ホストクラブ以外の
業態の営業も巻き込んでしまう可能性が高いです。

風俗営業の中でホストクラブ営業だけを特別厳しく規制するということは制度上はほぼ無理だからです。

摘発された店舗のグループ店舗も処分を受けたり欠格事由対象となったりする。
罰金も大幅に引き上げられる。

しかし、風俗営業店舗のうちホストクラブの割合はどのくらいでしょうか。

風俗営業店舗の件数は8万件を超えますが、全国のホストクラブの件数は詳しくはわかりませんが、
おおよそ1000件くらいのようですから、たぶん1%程度でしょう。
残りの99%の店舗は、ホストクラブ問題と関係がないのに規制を強化されるのです。
一般の風俗営業者にとっては、風営法違反処分リスクが急上昇することになります。

法令を守っているんだからそれでいいだろう。
そんな単純なことではないと私は思います。

悪質ホストが流行るのは風営法が緩いからか?という疑問もあります。

地味なスナックやバーでも風営無許可営業として取り締まられるケースがあります。
こんな小さい場末のスナックが?
と、不思議に思ったことは何度もあります。

それでも法律は法律。悪質ホストであろうとなかろうと法律は適用されます。

ホストクラブへの憎悪が結果として風俗営業全体に影響する可能性があるので、しばらく目が離せません。

風営法万歳!

 

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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