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風営法コラム
2024.12.10

122.コラム 風営法万歳! ~ 公益通報者保護法を知らない会社のリスク

今年は公益通報の問題がいろいろ話題になりました。

法令違反を告発した社員が会社から不利益なことをされないように保護せよ。

これが公益通報者保護制度ですが、法令順守にうるさいはずの行政機関で大問題が発生していました。
公益通報者保護法ではすでに、一定規模の企業に対して公益通報対応業務従事者を選任する義務を
課しています。
その従事者が、通報者を特定する情報を不正に漏洩した場合は刑事罰の対象となります。

これをホール営業で想定してみますと。

ある大手ホールで公益通報対応業務従事者を選任していたところ、そこへ社員からの相談がありました。
「うちの店では風営法違反が行われているみたいです」と。
その事実を社長に報告したところ、

社長:「そんなことを言ってくる不届きな社員は誰だ?」
従事者:「あ。それは言うことができないのです。」
社長:「なんだと!君はクビになりたいのか?」
従事者:「では少しだけ言います。最近主任になった女性社員です。」

その後、社長は関係店舗の店長を呼び出し、
「こういうことが起きているぞ。しっかりやれ。」
と指導しました。

店長は、通報者が誰であるかが予想できたので、その社員を呼び出して、二度とこういうことを
しないよう指導しました。
その社員は、自分が通報したことが通報窓口を経由して店長にバレてしまったと考えるでしょう。
その社員は退職を覚悟し、警察に風営法違反事実を通報しました。
そしてついでに、公益通報者保護法違反についても伝えました。
私が通報したことが店長にバレていたのです、と。
そのあと、この会社がどういう運命をたどるのか。
それは、またの機会に解説します。

風営法万歳!

 

 

風営法研究会
研究員 日野孝次朗

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