研究会
けんぱち研究会
けんぱち研究会
最近、実に興味深い研究が報告されました。
なんと有酸素運動より遊びの方が脳を守る効果が大きいかもしれないというのです。
記憶というのは脳の左右にある海馬(かいば)というところで作られます。海馬で長期増強という、ちょっとした刺激で一気に関連情報がつながり 立ち上がるようになる現象が記憶を支えています。
しかしアルツハイマー病の原因物質として有名なアミロイドβというたんぱく質によってこの海馬での長期増強が障害されてしまいます。 結果、記憶力が低下するのです。
そして有酸素運動を行うとこの長期増強の障害が抑制される、記憶力の低下を小さくできることが昔から知られていましたが、 今回の報告では毎日変わる複数のおもちゃと回し車で遊ぶことが、海馬での長期増強の障害を抑制することがマウスで示されたのです。 しかも、興味深いことに、この海馬長期増強障害の抑制効果は、遊びの方が有酸素運動より強いというのです。
アミロイドβの蓄積はアルツハイマー病ではなくともわたしたちの脳で進んでいることが知られています(これが記憶力低下の一因です)。 また人の場合でも、頭の働きの低下を予防するのにレジャーが役立つことも知られているので、わたしたちはもっと遊びを 大事にした方がいいのかもしれません。
うんと遊んで、うんと運動すれば、きっと幸せでもあるでしょうし。
諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授