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けんぱちコラム
2014.01.21

032.満足感が病気を減らし、抵抗力を高める

前回、「孤独は病気を増やし、抵抗力を落とす」というUCLAのスティーヴ・コールらの研究を紹介しましたが、
彼らは最近さらに驚くべき研究を行っています。

例えば「おいしいものを食べて幸せ」や、「欲しかったものが買えて幸せ」など、
物欲を満たすことや、おいしいものを食べるという行為で得られる短期で浅い満足感は、
免疫細胞を活性化させるどころか孤独感を感じているのと同じように、炎症にかかわる遺伝子を過剰に発現させ、
逆に抗体の生成や抗ウィルス反応にかかわる遺伝子の発現量を低下させるというのです。

逆に「人生に方向性や意味がある」「よりよい人間に成長できるような挑戦や経験をしたことがある」
「社会に貢献できるものがある」など、
社会に貢献することで人生に意味を見出すような、深い満足感を伴う幸福感では、
炎症反応に関連する遺伝子が抑えられ、抗ウイルス反応に関連する遺伝子がより活性化されていたというのです。

目先の快感ばかりを追いかけると、そこで満足が得られても、心臓病、アルツハイマー病、関節炎など、
炎症を伴う病気や、ウイルス性の風邪などにかかりやすくなる。
その一方で、社会に貢献することで人生に意味を見出すような、深い満足感を伴う幸福感が得られれば、
病気にかかりにくくなるし、抵抗力もつくわけです。

山水グループが参加しているスポーツごみひろいなんかは、自分の健康のためによろしいわけです。

Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Aug 13;110(33):13684-9. doi: 10.1073/pnas.1305419110. Epub 2013 Jul 29. A functional genomic perspective on human well-being. Fredrickson BL, Grewen KM, Coffey KA, Algoe SB, Firestine AM, Arevalo JM, Ma J, Cole SW. Source Department of Psychology, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.

諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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