研究会
けんぱち研究会
TOP>けんぱち研究会TOP>けんぱちコラム>034.デュアルタスクのすすめ
けんぱちコラム
2014.03.18

034.デュアルタスクのすすめ

国立長寿医療研究センターは、デュアルタスク(一度に二つのことをすること)を
認知機能低下予防や認知症予防のためにすすめています。

たとえば、息が上がるくらいの速さで10分間ウォーキングしながら、110から3を引いていきます。
慣れてきたら7を引いていきます。
もっと慣れてきたら6,8を交互にひいていきます。
あるいは踏み台昇降運動をしながら、野菜の名前をあげたり、しりとりをしたりします。

長寿研の鈴木先生らは軽度認知障害と診断された方100人を、「運動+頭を使う」グループと
「健康講座を受ける」グループに分け、半年間追跡調査しました。
その結果、頭だけを使った後者にくらべ、運動+頭を使ったグループのほうが、脳の委縮を防ぐことができ、
さらに記憶力が改善したそうです。
有酸素運動は脳由来神経栄養因子(BDNF)という脳細胞を育てる物質を増やし、
記憶に関係する海馬の容積を増やすことが知られています。
また、運動しながら頭を使うと、注意力や情報処理力にかかわる前頭葉が鍛えられるので、
運動しながら頭を使うデュアルタスクがおすすめなんだそうです。

パチンコしながら健ぱち体操、ウォーキングしながらスロットの図柄配置を思い出す、なんてのもいいですね。

Suzuki T, Shimada H, Makizako H, Doi T, Yoshida D, Ito K, Shimokata H, Washimi Y, Endo H, Kato T. A randomized controlled trial of multicomponent exercise in older adults with mild cognitive impairment. PLoS One. 2013 Apr 9;8(4):e61483.

諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

記事一覧へ戻る
PAGETOP