研究会
けんぱち研究会
けんぱち研究会
マインドフルネスは、マインド(こころ)を「今ここ」への意識でいっぱい(フル)にすることを目指し、
結果、過去の後悔や未来への不安に心が奪われないようにする心理療法です。
背筋を伸ばして座ります。
自由に呼吸し、その呼吸を観察します。
胸やおなかのふくらみ、引っ込みを感じます。
雑念が浮かんできたらやり過ごし、「今ここ」の身体に意識をあてます。
それから意識を部屋全体に広げます。部屋を突き抜けてもかまいません。
10分程度続けます。
マインドフルネスを習慣化すると、恐怖や不安に関わる扁桃体が小さくなり、
記憶にかかわる海馬が大きくなることも報告されています。
海馬でBDNFといって神経細胞を増やす物質の分泌が増し、これによって新しい記憶が作られやすくなり、
いやな記憶を上書きしやすくなる、このことがうつ的気分をやわらげると考えられています。
実は抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)はうつで低下しやすいセロトニンの量を
増やすだけではなく、BDNFを増やすことでもうつに大して治療的に働くと考えられています。
しかし、最近、英医学誌ランセットに掲載された論文によると、抗うつ薬のうち高い抗うつ作用が
みられたのは「フルオキセチン」のみ、「ベンラファキシン」では自殺願望や自殺衝動のリスク増加が
認められたそうですし、マインドフルネスは抗うつ剤と同様の再発予防効果があり、かつ抗うつ剤に比べて
再発リスクが24%低いそうですから、マインドフルネスあなどりがたし、です。
諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授