けんぱち研究会
近い将来、極小のコンピューターチップを脳に埋め込むことにより、
人間の記憶容量が飛躍的に高まることが見込まれていることをご存知でしょうか?
アメリカ南カリフォルニア大学の神経工学の専門家であるセオドア・バーガー博士は、
記憶力を全体的に向上させる脳へのインプラント機器「ブレインチップ」を
開発しているそうです。
サルとマウスの脳では何度も実験が行われ、その効果が確認されていますが、
近い将来に向け、人間の脳への適用が準備されていることを英「Daily Mail」紙などの
メディアが伝えています。
記憶力を飛躍的に向上させる「ブレインチップ」ですが、決して大容量メモリーカードや
ハードディスクのような記憶媒体ではなく、あくまでも情報を記憶しているのは「生身の脳」
であるようです。
私たちの記憶には明日になれば忘れてしまうような『短期記憶』と、
しっかりと覚えていていつでも思い出すことができる『長期記憶』があり、
「ブレインチップ」は短期記憶を長期記憶へと変えてしまうデバイスだそうです。
短期記憶を長期記憶に“変換”する際に、記憶の保存場所と考えられる脳の海馬の一部で、
あるパターンの電流が発生していることが突き止められています。
そこで、脳に埋め込まれた「ブレインチップ」は、この電流とそっくりの電流を発生させることで
脳をダマして、短期記憶を強制的に長期記憶へと変換してしまうそうです。
現在、「ブレインチップ」はてんかん患者を対象にテストが行われているようです。
An Application Specific Instruction Set Processor (ASIP) for Adaptive Filters in Neural Prosthetics.
Xin Y, Li WX, Zhang Z, Cheung RC, Song D, Berger TW.
IEEE/ACM Trans Comput Biol Bioinform. 2015 Sep-Oct;12(5):1034-47.
諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授