研究会
けんぱち研究会
けんぱち研究会
カリフォルニア大のサンダーマン先生らは、平均年齢73歳の1300人超(約250人はアルツハイマー病、
670人は記憶障害などを含む軽度認知障害(MCI)、390人は思考や記憶の障害なし)を対象に、15個の単語を覚え、
直後と30分後に思い出してもらうテストを行いました。
同時にPETを使ってアルツハイマー病では特徴的なグルコースの代謝障害を調べます。
すると脳では同じ程度に障害が起きていても、テストの成績は女性の方が優れていたとか。
つまり、女性は言葉の記憶力に優れており、脳の障害をある程度補いうるということだし、
女性で言語の記憶力が落ちてきたら、余計に気を付けた方がいいということでもあります。
同じように、東京大学の岩坪威先生らのグループは、認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)の女性は、
男性より症状が悪化しやすいことを報告しました。
MCIの男女234人(平均年齢72歳)が対象で、認知機能や脳の画像の検査を3年間追跡調査し、悪化の原因などを
分析したそうです。
結果、期間内にMCIから認知症へ移行したのは女性が60%で、男性は44%だったそうで、
女性の場合、腎機能がわずかに下がると、認知機能の悪化をともなったとか。
「糖尿病や高血圧などの生活習慣病は腎機能を低下させるほか、動脈硬化を引き起こして神経細胞が壊され、
認知機能の悪化を招く」「女性は男性より体が小さいため血管も細く、生活習慣病で血管がダメージを受けやすい」
ことがかかわる可能性があるそう。
公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授