けんぱち研究会
アルツハイマー病などの認知症やパーキンソン病などの神経変性疾患は、強いコンタクトを伴うスポーツ選手で多いことが、
アメリカンフットボールなどで報告されています。
そこで、スコットランドの研究によると、7676人の元プロサッカー選手(スコットランド選手のデータベースから特定)と、
性、年齢、社会的環境を一致させたコントロール集団23,028人と、死亡率、および死亡原因を比較しました。
中央値18年間の比較の結果、元サッカー選手は1180人(15.4%)が死亡、コントロールでは3807人(16.5%)でした。
全死因死亡率は、70歳までは元サッカー選手の方が低く、その後は高くなっています。
虚血性心疾患、肺がんによる死亡率は元サッカー選手は低いですが、神経変性疾患による死亡率は、
元サッカー選手で1.7%、コントロールで0.5%と有意に元サッカー選手の方が高いです。
アルツハイマー病で高く、パーキンソン病で低く(それでもコントロールよりは高い)、
ゴールキーパーとフィールドプレーヤーとの差はなく、アルツハイマー病薬の処方も頻繫でした。
今後も調査が必要ですが、サッカーでもコンタクトの強いスポーツと同様の結果が予測されました。
Neurodegenerative Disease Mortality among Former Professional Soccer Players.
Mackay DF, Russell ER, Stewart K, MacLean JA, Pell JP, Stewart W.
N Engl J Med. 2019 Oct 21. doi: 10.1056/NEJMoa1908483.
公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授