けんぱち研究会
前回のコラムの続きです。
遊技障害(パチンコ・パチスロでのギャンブル等依存)研究について、Q&A形式で紹介します。
Q:被害額が大きくなりがちな「射幸性の高い機種」についてだけ言及されることが多いと感じますが、
射幸性が低く遊べる機種や1パチなどの低レートで「時間を消費する」形の依存問題の研究はどこまで
進んでいますか?
A:現状のパチンコ・パチスロ程度の射幸性の高低では、危険な遊び方(今までは遊技障害疑い、依存リスク
などと呼んでいた)を助長しないという結果を得ています。
なので、低貸中心にすべきだとかまではいう必要はないと思っています。
一方で、横断的な研究ではジャグラーの遊技時間と危険な遊び方は負の相関がある(長く遊ぶ方が
リスクが低くなる可能性がある)、海物語系も遊技時間が長い方が危険な遊び方リスクが低い
(と言っても大した影響ではないですが)ようです。
Q:“リピーターの多い人気台”と“依存性の高い台”を明確に区別するとすれば、どこに着目すべきですか?
A:依存性というか、危険な遊び方リスクを高める台、というものがどうやらないようです。
一時はやっても、年にまたがってハマるのはなかなか難しいようです。
Q:「パチンコ業界は依存で成り立っている」みたいな話がありますが、これは事実なのでしょうか?
A:まちがいです。ユーザーの大半、収益のほとんどは健全ユーザーからのものです。
Q:いわゆる依存症と診断された方で、自身の心身状態ではなくパチンコ自体が原因とされる方は
どのくらいいますか?依存症になってしまう主な原因を教えてください。
A:機械側の要因という意味なら、ほぼないと考えていいと思います。ぱちんこがきっかけ要因と
いうことならそれはそうなんでしょうが、様々な背景要因の現れと見たほうが適切だと思います。
単純に楽しさにハマる人はいるでしょうが、この人たちは自然回復しやすい傾向にあります。
パチンコがなければ、パチンコ依存にはならないという意味なら、それはその通りなので、
別の要因の現れであろうと業界が危険な遊び方対策を行うのは社会的責務だと思います。
25%程度が健全遊技をしているか、そのほかは、併存障害、性格傾向、併存障害、自分では
どうにもならないという認識、などがかかわり、遺伝要因が50%程度と見積もられています。
公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授