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けんぱちコラム
2022.12.20

138.ドーパミン研究に関する質疑応答、その①

今回のコラムから数回に分けて、稼働とドーパミンの関連についてのQ&Aをご紹介します。

《ノルアドレナリンとドーパミン比・期待ドーパミン差玉の関係について》

ドーパミンの分泌量が稼働の予測にかかわることはわかりましたが、どのような機種でも稼働が
低下する現象はどう説明できるのですか。
⇒まず稼働は時間の関数として減退します。飽きや慣れとがっかりの積み重ね、および負けの積み重ね
によって予測ドーパミン量が低下するからです。
その上で、この減退率の低下の程度を「モデル化した」ドーパミン比、ドーパミン量が決めていきます。
わたしたちのドーパミン計算法は飽きや慣れ等の問題を無視してモデル化し、1万円使用したときのドー
パミン比・量を示したものです。ここから、二万円以降の稼働に向かう傾向などを推測します。
このようにモデル化することで機種の比較ができます。
上記のメカニズムとは別に、稼働が期待できる台だという判断⇒釘を開け気味⇒勝率上昇、単位時間当た
りのドーパミン量増⇒相対的に開け気味の維持・・・・のループは特に人気台が現れた場合、稼働に大き
く影響します。


極端な話、前回とほぼ同じ演出でスペックも同じシリーズ機が登場した場合、慣れによる報酬の時間割引
にかかわるセロトニンは分泌される為初動が高く、一方、新しさがないため覚醒度にかかわるノルアドレナ
リンは分泌されないのではないかと思います。
⇒本当に全く同じなら、新台に対する期待でのドーパミン増による稼働上昇はあっても、基本的には前回の
台の稼働減衰曲線上に乗っていきます。実際には、マイナーチェンジ、新台だという期待があるので減衰線
上には乗らないですが。


感覚的には前回と演出もスペックもほとんど同じだった場合、減退率は早いと思います。
⇒そうです。

つまり、ドーパミン量とノルアドレナリンに関係がありそうと思えましたが、代り映えしないシリーズ機の
減退率が早いのはどのように説明できるのでしょうか?
⇒ドーパミンとノルアドレナリンの関連でいえば、中脳前脳束でまとめられるので刺激に対してよく似た
分泌をします。一方で、ノルアドレナリンは脳全体に投射して脳の覚醒水準を決め、ドーパミンは報酬予測
誤差を計算することで強化学習の教師信号になります。


*この話の前提となる演出によるドーパミン増幅の計算法はおいおい紹介していきます。

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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