けんぱち研究会
最近の子どもたちは良い環境に恵まれていると思います。おもちゃやゲームは頭を使い、かつ楽しいように
どんどん洗練されていますし、これからの学習教材は対話AI型になり、ますます勉強しやすくなるでしょう。
脳を鍛えるには恵まれた環境だと思います。
子どもの時期にはワーキングメモリと言って、何かをちょっと記憶しながら、何かをこなしていく力が大きく
伸びていく時期です。学校の勉強はワーキングメモリを育てるカリキュラムになっていますし、ゲームで遊ぶ
時もワーキングメモリが盛んに使われます。実際、1万人近い調査で、9~10歳時点のゲーム時間が長い方が、
二年後、頭の働きがよくなるといった報告もあります。
ワーキングメモリの力は20歳くらいをピークに低下し、60歳以降大きく低下していきます。これに伴って、
あれ、これ、それが増え、何かをしに行ったのに何をしようとしたのか忘れてしまう、といったことが増えて
いきます。しかし、ワーキングメモリの力はトレーニングで回復しやすいです。
ワーキングメモリの力を伸ばすには、脳トレ問題をより早く解く、難易度をあげる等が有効です。一方で、
同じ問題を何度も繰り返し、スムーズに解けるようにすることでもワーキングメモリの力は上がりやすくなり
ます。何より楽しく脳活することで、やる気にかかわる線条体が活動しスキルアップが容易になりますから、
楽しく遊ぶことが一番です。
70代ぱちんこユーザーのワーキングメモリを含む認知機能は高く、とくに
「先月、パチンコ・パチスロに使ったお金は、失っても構わない範囲で済んだ」
「先月において、他に優先すべき事象がある時は、パチンコ・パチスロを打たなかった」
「先月、パチンコ・パチスロを打つ前に、どこまでお金を使っても良いか決めてから、打ち始めた」
「先月、パチンコ・パチスロに使ったお金について、家族もしくは友人に対して嘘やごまかしはなかった」
といった健全遊技を行っている人ほど高くなっていました。現在、論文執筆中です。
公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授