研究会
けんぱち研究会
けんぱち研究会
《人はなぜ遊ぶのか》
以前、「人はなぜ遊ぶのか?」と聞かれたことがあります。
まず私は、科学は概ね「なぜ」に答えるのではなく、「どのようにして」に答えるものだと考えています。
そこを踏まえた上で、人のみが遊ぶのではなく、あらゆる生き物は直接的に生存に直結しない行動をとり、
これが遊びの起源であると考えます。
むしろ生存に直結しない行動が豊富にあり、そのうち生存に直結する行動が適応的にあった種が生き残った
のであると考えます。
一方、人は自我を持ったことで、理由付けが可能になりました。
自我というメタ認知によって、「なぜ」がうまれ、その立場からの「なぜ」はどんな利得があるのかと、
遊びを支える生物学的メカニズムによって説明された気になれます。
利得的な意味としては、娯楽とリラックス、創造性の発揮、社会的なつながり、学びと成長、健康と運動
などがあげられます。
一方、生物学的なメカニズムとしては線条体の勝手な、または予測的な活動が遊びを支えています。
公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授