けんぱち研究会
チョコレートの効果は健康長寿関連でよく見ますが、短期的な認知機能の改善や気分の改善の
レビューもあります。
Andrew Scholey, Lauren Owen, Effects of chocolate on cognitive function and mood:
a systematic review, Nutrition Reviews, Volume 71, Issue 10, 1 October 2013,
Pages 665–681,
https://doi.org/10.1111/nure.12065
チョコレートまたはその成分が認知機能および/または気分に影響を及ぼすかどうかを評価する
ために、系統的レビューが行われました。
チョコレートに含まれる精神作用の可能性のある成分を調査した研究も対象としました。
8つの研究(6つの論文)が、気分に対するチョコレートまたはその成分の評価に関する包含基準
を満たし、そのうち5つが、気分状態の改善または否定的な気分の減衰を示しました。
認知機能に関しては、8つの研究(6つの論文)が組み入れ基準を満たし、そのうち3つの研究で
認知機能向上の明確な証拠が示されました(ココアフラバノールとメチルキサンチンに続く)。
2つの研究では、行動上の効果は認められませんでしたが、脳の活性化パターンに有意な変化が
認められました。チョコレートの気分に対する効果が、チョコレートの感覚的特性によるもの
なのか、チョコレート成分の薬理学的作用によるものなのかは不明です。
2つの研究では、カカオポリフェノールの補給による急性認知効果が報告されています。
認知促進に対するチョコレートの効果について、カカオの成分に関連した脳の機能的変化の立証と
ともに、さらなる研究が推奨されます。
公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授