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けんぱちコラム
2025.02.18

164.ワーキングメモリーの容量は、日常生活における否定的感情の軽減に関係する

Wahlers, J. N., Garrison, K. E., & Schmeichel, B. J. (2024). Working memory capacity
relates to reduced negative emotion in daily life. Cognition and Emotion, 1–12.
https://doi.org/10.1080/02699931.2024.2402939

ワーキングメモリー能力(WMC)とは、目の前の環境に注意を向けながら短期記憶に情報を
維持する能力のことであり、情動状態と関連しています。
しかし、自然主義的な設定におけるWMCと感情との関連に関する研究は増えており、矛盾が
観察されています。

本研究(N=109)では、先行する経験サンプリング研究(Garrison & Schmeichel, 2022)の
手順をそのまま再現し、WMCが高いほど日常生活におけるストレスフルな出来事とネガティブ
な感情との関係が減弱することを明らかにしました。

実験室でWMCを測定し、その後、ストレスフルな出来事の発生、瞬間的な情動状態、ストレス
への対処反応を1日数回、6日間測定しました。WMCの高さは瞬間的な否定的感情の低下と関連
していましたが、この関係はストレスフルな出来事の発生には依存していませんでした。

探索的分析によると、WMCが高いほど、ストレスに対する対処反応として計画を立てる可能性
が高く、ストレスフルな出来事ごとに報告された対処戦略の数が多いことと関連していました。
しかし、対処はWMCと瞬間的な否定的感情との関連を媒介しませんでした。

この結果は、WMCと日常生活における否定的感情の減少との関連性の頑健性と生態学的妥当性
に寄与するものであります。

「はげひげ(菊仙人)」の脳的メモから
https://kikusennin.seesaa.net/article/509297624.html

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

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